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研究室概要

教授からのメッセージ

山本靖彦

 生体はブドウ糖をはじめとする糖質を利用し,エネルギー源であるATPを産生することで生命活動を維持しています。しかし、このことで生体内では同時に、糖質はさまざまなタンパク質・脂質・核酸と非酵素的な糖化(グリケーション)反応を引き起こしてしまいます。現在、このような現象は“糖化ストレス”としても理解されるようになってきました。例えば、高血糖状態である糖尿病では、生体内でこのような反応が促進してしまい,動脈硬化・糖尿病腎症・糖尿病網膜症などの血管合併症を引き起こしてしまいます。また最近では、糖化(グリケーション)反応とその最終反応産物、そしてその受容体応答系は、糖尿病の血管合併症の発症進展に関わるのみならず、炎症性疾患、がん、動脈硬化、骨粗鬆症、精神疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患や、様々な老化・加齢関連疾患に関わることが明らかになってきました。
 当研究室では、このようなポストゲノム研究を幅広い領域で遂行しています。現代の科学研究は高度化・複雑化し、専門グループ間で英知を結集するというスタイルも時に必要となります。そのような際に、信頼関係の構築には高度の専門性と実力が求められる時代となりました。当研究室では、教室・大学・国の枠に囚われない、しかし、常識や決められたルールを遵守する研究スタイルで研究活動を推進します。学部生や大学院生の学生教育においては、世界最先端と誰もが認める研究に触れてもらう環境や機会を提供し、将来世界で活躍できる次世代の医学研究者やリサーチマインドを持った臨床医の育成にも力を注ぎたいと思っています。
 関心を持たれる方々の教室への参加を期待しています。

研究室沿革

 生化学第二講座は1963年(昭和38年)4月創設。翌1964年4月、京都大学より久野滋博士が初代教授として着任、開講した。久野教授時代には「ヌクレオシド、ヌクレオチド代謝」「カタボライトレプレッション」「デオキシリボース転移反応」「バクテリア産生の新理論」「真核生物染色体複製開始機構」「線虫Caenorhabditis elegansを用いた分子遺伝学的研究」と多くのテーマで研究が展開され成果が挙げられた。同門からは岡田利彦金沢医科大学教授(生化学第一講座)(現名誉教授)、武籐明福井医科大教授(生化学第一講座)(現名誉教授)、犬塚学福井医科大教授(生化学第一講座)、小平憲一富山大学工学部教授(細胞工学講座)が輩出した。1990年(平成2年)3月、25年間にわたり講座を主宰してきた久野滋教授が定年退官され、同年10月、東北大学より山本博博士を第二代教授として迎えた。山本教授は着任後、血管生物学を中心に「血管構成細胞種間相互作用」「血管新生機構」「糖尿病性血管障害発症・進展機構」「高血圧発症機構」「高磁場の生体作用」などの研究を展開した。この間、細野隆次本学部保健学科教授(生体情報学)、金子二久金沢女子短期大学教授(生活文化学科)、山岸昌一久留米大学医学部教授(糖尿病性血管合併症病態・治療学)、原田真市本学科教育機器センター准教授、米倉秀人金沢医科大学教授(生化学第2)、渡邉琢夫金沢学院大学教授(健康栄養学科)が輩出した。2014年(平成26年)3月、山本博教授は退職され、同年4月から金沢大学理事・副学長に就任された。2015年(平成27年)5月から山本靖彦博士が第三代教授として教室を主宰している。(一部金沢大学50年史部局編より抜粋)

お問い合わせ・連絡先

金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 医学専攻 血管分子生物学
〒920-8640 石川県金沢市宝町13-1

【TEL】
076-265-2182 (受付)
076-265-2181 (教授室)
076-265-2184 (研究室)
【FAX】
076-234-4226 (教授室)
076-234-4217 (研究室)
【E-Mail】
bc2@med.kanazawa-u.ac.jp
金沢大学【宝町・鶴間】キャンパスマップ
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